2014年07月29日

手と場所があれば

RIMG1446湿度が低く、朝方などはかなり楽だったのですが、午後、まだ日の高い靖国通りを歩くと、さすがに暑い。電車の乗り換え。駅から店まで。わずかな距離を歩く間にも汗ばんで、店に辿りついて、ようやく人心地がつきました。

今日の洋書会に出かけたのは、お昼から。会場についてみると、先週ほどではありませんが、その前二週に比べれば、出品量に不足はありません。平台も、八割方は埋まっております。

しかし、いざ本を見て回ると、札を入れたくなるものに行き当たりません。今日はどうやら店主の日ではなさそうだと、つい手控えてしまいました。

開札が終わってみると、手控えたのは店主ばかりではなかったようで、札の入らなかった荷が、たくさん残っております。

何人かの会員で、そのボー(不成立の荷)をあらためて見直し、なんとか引き取れないだろうかと検討しました。

なかでも店主が気になったのは、スペイン語学の研究書、紀要類の口です。かなりの大山で、300冊以上はあるでしょう。入札最低価格は2000円ですから、今なら、その値段で全部引き取ることも可能です。

専門性の高い本が多く、一冊数千円に値付けできる本も、相当数ありそうです。そういう本が一冊売れれば元が取れる計算。

理屈の上ではそうですが、ではそれが分かっていて、なぜ誰も手を出さないのでしょう。

もちろん、値を付けることと、それが売れることとは全く別の話です。専門性が高いということは、マーケットが小さいということを意味していて、上手くお客様を見つけられるかどうかは、予測がつきません。

そのうえ、数百冊ある本の中から、売れそうな本を選び分けるのが一仕事です。何しろスペイン語ですから。さもなくば、数百冊、すべてを在庫として抱えるしかありません。

選び分けるためには時間が、抱えておくためには空間が、それぞれ必要であり、それをコストとして考えたとき、採算をとるのは容易ではない、というのが結論。結局、カーゴに積んで、荷主にお返しすることになりました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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