2014年08月30日

古本屋らしい

先日、宅買いに伺った折、ご本人の蔵書とは別に、納戸の造り付け棚の天井近くに、すっかりヤケて黒ずんだ古い本が、二列ばかり並んでいるのを見つけました。

思わず目が吸い寄せられ、「あれは?」とお尋ねすると、「父のものですが、良かったら一緒にどうぞ」とお許しが出ました。

勇んで踏み台に乗り、近づいて目を凝らしましたところ(明かりが暗く良く見えなかったものですから)、大半は文庫新書で、残りも多くは普通の読み物類。

よほど状態が良ければ、それなりに珍重されそうな本もありましたが、先に申しました通り、外見は並以下。

RIMG1530結局、その棚からはごく一部だけをいただいてまいりました。古書価を基準にして選んだのではありません。値のつくものは殆どないはずです。あくまで店主の好み、自分でも読んでみたいという本を選びました。

店のどこかに、こういう本を並べておく棚を作りたい気もいたします。なかなか売れないでしょうがね。

吉川幸次郎『随筆集 短長亭集』筑摩書房、昭39
庄野潤三『流れ藻』新潮社、1967
大佛次郎『砂の上に』光風社書店、昭39(四版)
尾崎士郎『わが青春の町』河出書房新社、昭38
土岐善麿『目前心後』東峰出版、昭38
内田百間『東海道刈谷駅』新潮社、昭35(三刷)
小池藤五郎『愛書家のつぶやき』桃源社、昭36
庄司浅水『わが愛書の記』帖面舎、昭38、限505
〃『紙魚のたわごと』朝日新聞社、昭41
江崎悌三『江崎悌三随筆集』北隆館、昭33
岸田日出刀『縁』相模書房、1958
西山卯三『住み方の記』文藝春秋、昭40

ちなみに函はヤケていますが、中はきれいです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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