2014年10月26日

便利の落とし穴

ISBNコードの表示義務化に、欧米で最も強く反対したのはフランスの出版界だったということを、どこかで読むか聞くかした記憶があります。

もっぱらデザイン上の問題から、抵抗が大きかったと。

それかあらぬか、フランス書籍のISBNコードは、往々にしてとても分かりにくいところについていることがあります。豆粒のような数字が、仕方なく、いやいやながら、といった様子で隅の方に載っていたりします。

ハイフンの代わりにドットが打たれていることが多いのも、目立たせない工夫かも知れません。

バーコード表示になっても、何とか少しでも全体のデザインを壊さないように工夫をしているようです。日本ほど表示位置や、大きさなどの規則が厳しくないのかもしれません。読み取れるかと思うほど、小さなバーコードがついていたりします。

RIMG1688写真のプレイヤード叢書の場合、ご覧のとおり函の地に印刷されていて、ヒラの部分にはコードのコの字もありません。

それほど冷遇されているISBNコードですが、検索するときにはとても便利で、値段調べには重宝させてもらっております。

たとえば、このプルースト『失われた時を求めて』などのような場合は、著者と書名だけでは実に様々な版があり、全く同定できません。プレイヤードという叢書名まで入れて、巻数を入れて、ようやく目指す本にたどり着くことができるわけです。

ただしこの本は、新版(全4冊)と旧版(全3冊)では、まったく編集が違います。不思議なことに第1巻から第3巻までは、叢書の通し巻数も同じ(100-102)ですから、校註者まで調べなければ、どちらの版かが分かりません。

その点ISBNなら一発で分かる――筈のところですが、その区別も定かでなく、ネットに便乗出品している人が外国にもおられるのですね。日本のサイトと違い、それが素人さんかプロなのか、判断しづらいのが困るところです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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