2014年11月22日

両替商

RIMG1730大学生らしい女性が、表の100円ジャンクを一つ持って帳場に来ました。「100円です」というと、無言で1万円札を差し出します。

普段でも、小店のような小商いにとって、あまり歓迎できることではないのですが、三連休の初日。つい先ほど、郵便局へ家人を走らせ、1000円札を両替してきてもらったばかりです。

一瞬、手をとめてお顔を伺うと、「それしかないんです」と、ぶっきらぼうな声。そこで余計なことは言わず、お釣りをお渡しし、「ありがとうございます」と言ってお見送りいたしました。

小売店にとって、釣銭の用意というのが、案外厄介な仕事だということをご存じないのは、何も若い人だけに限りません。また、崩すことを目的に買い物をする場合があることも、承知しています。

要は、こういう場面での応答のマナーというようなものを、心得ているかどうかが、受ける印象の分かれ目でしょう。

それから少し間をおいて、良くご来店になるご婦人が、100円の雑誌のお買い上げに、1万円札をお出しになりました。「すいません、これしかなくて」。

さっきの今です、困った表情が顔に出たのかもしれません。「あ、じゃあ買い物してから、また帰りに寄ります」と、おっしゃってくださいました。お言葉に甘えて、雑誌の方は、それまでお取り置きすることに。後刻、約束通りご来店くださったのは、言うまでもありません。

昨日、同業数人とお茶をしていて、「貯まった硬貨を銀行に預けに行ったら、600円ほどの手数料を取られた」という話を聞きました。聞けば500円玉、100円玉で40万円ほどあったとか。一旦は同情した仲間も、その額を聴いていささか鼻白んだものです。

しかし今時、数えるのは機械の仕事。一体、どれほどの手間なのでしょう。さすがは両替商の看板を出しているだけのことはあります。小銭に替えてもらうのに手数料が必要なくらいで驚いてはいられません。

その当人、癪に障ったので「1万円札でも大量に持ち込んだ場合は手数料を取られるのか」と皮肉を言ったところ、「お札の場合、手数料はいただきません」と丁寧な返事が返ってきたそうです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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