2015年04月26日

リテラシー

東京古書組合の機関誌『古書月報』は、現在は隔月に定期刊行されていて、最新の4月号には第469号という号数が表記されています。

組合発足当初の大正末期に、チラシを折り重ねたような形で始まって、やがて冊子となり、時に諸事情により刊行の間隔が変わったりしながら、90年を超える組合の歴史を記録してきました。

店主も20年ほど前の2年間、12号にわたってその編集に関わりましたから、最近の月報にも、それなりの関心を持って目を通しております。

その最新号を読んで、近年抱いていた思いが一層強くなりました。それは、組合員の文章力が、全体に上がってきているのではないかということです。

申すまでもなく、昔から上手な書き手はおられました。しかし、そうではない方との落差が、以前は目立った気がします。それに比べて現在は、どの寄稿者も、達意とまではいかなくとも、破たんのない文章を書かれます。

しかし考えてみれば、これは古本屋に限った話ではなさそうです。おそらくは、ワープロの進歩によって、書くことが随分楽になったことと無関係ではないでしょう。本人が推敲することも、別の手で直すことも、簡単になった結果かも知れません。

店主自身、由良先生の退官に当たって記念文集を出すという時に、先生自らご来店いただいて、稿を寄せるようご下命を受けたのですが、その折のお言葉が「ワープロを使えば簡単に書けますよ」であったことを思い出しました。

今調べてみると1989年のことです。以来、今日まで、手書きで文章を綴ることは殆どなくなりました。しかし店主の場合に限って言えば、前言を翻すことになるようですが、どんどん文章が下手になっているような気がしてなりません。

RIMG0142もちろん、昔はもっと良い文章を書いたなどというのは、単なる幻想で、時おり古い自分の文章を目にすると、ほとんど意味不明のことが書き連ねてあるのに、ほとほと嫌気がさすばかりなのですが。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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