2015年05月23日

スターのボヤキ

昨日の明治古典会は、いわゆるサブカル系の商品が特に注目を集めました。

最終台に載せられた昭和20年代から30年代にかけての『少女クラブ』数十冊は、最終発声、つまり昨日一日で、最も高値の商品となりましたし、他にも怪獣映画のシナリオや、画稿などが、軒並み高値を呼んでいました。

一方で昨日は、明治大正の近代文学作品も、多数出品されていたのですが、それがすっかり霞んでしまうほどの勢いを感じたのは、店主だけではなかったはずです。

その文学作品を、例によって買い占めていたように見えたF書房さん(誰でもご存じなので、あえて名は伏せますが)は、市場が終わったあと、店主に向かって「どうやら痴呆症なのかもしれない」と、落ち荷をカーゴに山積みしながらボヤかれました。

実はその直前、S書林さん(同前)から「Fさんは認知症じゃないだろうか。いま食事をしたことも忘れて、また欲しがる」と、いつものボヤキを聞かされたあとだったので、早速ご当人に告げ口をいたしました。

するとFさんは、「痴呆症?認知症?どうちがうんだろう」と、しばらく考え込み、「どっちにしても、もう俺は長くないよ」と、これまたいつものセリフで締めくくられました。

言うまでもないことですが、お二方とも、ことさら悪意や偏見を持って、この言葉を使っているわけではありません。また、Sさんのボヤキは、Fさんへの敬意の裏返しであることも、蛇足ながら。

「Fさんはポール・マッカートニーと同い年なんだから」というのも、Sさんの良く口にする言葉で、つまりFさんは古書業界のポールだというわけです。Sさんだって、充分、この業界のスターなのだと店主には思えるのですが。
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店主はといえば、地味に三点ほど入札して落札。そのうちの一点は建築関係書約30冊という口で、出来る限り早く、店に並べるつもりにしております。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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