2015年05月25日

ご迷惑

RIMG0191先日、留守の間に、洋書のソフトカバー4冊と展覧会図録1冊の、お持ち込みがありました。洋書はいずれも英語で、歴史読み物と、古代戦史の本。読み物も、舞台となっているのはローマ時代で、どれも400頁ほどありそうな厚冊です。

たとえて言えば、吉川英治か司馬遼太郎の普及版単行本を、数冊お持ちいただいたようなものでしょうか。戦史の方は、さしずめ塩野七生。はて、どんな評価を付けたものか、悩んだ末、ご来店をお待ちすることにしました。

数日後、ちょうど店主が店番をしているときに、その方がご来店になりました。ご年配の、品の良いご夫人でしたので、「せっかくお持ちいただいたのですが…」と切りだしますと、「ご迷惑でしたら、持ち帰りましょうか」とおっしゃいます。

店主としては、はかばかしい値が付けられなくて申し訳ない、というつもりの前置きでしたから、お値段を申し上げて、それで良ければ置いて行って下さいと、重ねて説明いたしました。

お客様が当方の値付けに対し、お気に召さなければ、お持ち帰りいただくのは一向に構いませんが、邪魔になるから持って帰ってほしい、というように取られるのは本意ではありません。

しかし「初めてのことで勝手が分からなかったのですけど、どうやらご迷惑のようですので持って帰ります」と、ご持参の袋を取り出します。

どこで齟齬をきたしているのか、どうもこちらの意向を正しく受け取っていただいているように思えません。繰返し、「お値段にご納得いただけるなら、お引き取りさせていただく」旨を申し上げ、ようやく「そうですか、それなら、これで決まりといたしましょう」と、お代を受け取っていただきました。

「お金は結構ですから、引き取っていただけますか」という言葉には、日ごろ慣れっこになっておりますが、こういう逆パターンは珍しい。そう思い返していて、ふと不安になりました。

もしかして、評価額にご不満があって持ち帰りたかった、ということではなかっただろうかと。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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