2015年08月28日

モリス署名本

明治古典会の8月も今日でおしまい。月末恒例のフリ併用特選市。出品量も多く、にぎやかな市になりました。

このところ、絵画、版画から切手、陶器に至るまで、本以外の出品のほうに目を惹かれがちでしたが、今日は明古本来の文学書関係で、会場が6割方埋まった印象です。

店売りに向きそうな本も出品されておりましたので、じっくり見て回り、何点か入札をしたのですが、小店で売れるものは、どこの店でも売れるというわけか、競合がきつく、ほとんど敗退。微々たる戦果に留まりました。

それはさておき、本日、とても興味深い一冊が、フリの下見の台に陳列されていました。William Morris, By the Way. Kelmscott Press, 1891 が、それです。

ケルムスコットプレスについては、何度か取り上げましたが、今回の本は今まで見た中でも状態が良いヴェラム装。しかも署名入りであると、封筒に注記があります。おそるおそる手にして、そっと開いて見ると、確かにブランクページに、献呈先の名につづけて、著者の名が記されてありました。

それより驚いたのは、触っているその本文用紙が、紙ではないことに気付いた時です。ほんの少し透けて見えるような感じ。パーチメントでした。

前付や奥付で、確かめようとしたのですが、何の記載もありません。ただ見つけられなかっただけかもしれませんが。しかし明らかに、少部数の特製本に違いないと思いました。

時間を見つけて、6階のPCで検索して見ました。AbeBooks で見つかったのは、紙に印刷された300部本が2点。1点は3千5百ドル、もう1点の方は署名入りで、6千ドルという価格。

はたして、この特製13部本(この部数は、のちに落札者から教えてもらいました)が、いくらで落札されるか、固唾をのんで見守っておりますと、店主程度の情報は複数の書店が持っていたようで、RIMG0363期待に違わぬ、高価格に競り上がりました。

勝負は知識ではなく、資本と経験にあると、改めて思い知らされたのでした。

konoinfo at 22:28│Comments(0)TrackBack(0)

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