2016年04月22日

SPレコード

全古書連の総会では、お定まりの議題のほかに、各地組合報告というものがあります。

全国52の加盟組合のうち、総会に出席するのはその半数程度に過ぎませんが、それでも北海道から九州まで、それぞれの組合の声を生に聞く、ほとんど唯一の機会です。

その報告の中で、目立って多く言及されたのが、「日本の古本屋」に関する問題でした。質問であったり、要望であったり、提案であったり。

中でも今回、印象に残ったのは、九州のある組合からの、「日本の古本屋」ではレコードも売れるのかという質問でした。

もちろん古本屋の営業品目である限り、何を出品しようと制限はありませんが、売られているということが周知されていなければ、出す意味がないとも言えます。

この質問の背景には、昨今のちょっとしたレコードブームがあります。これまで値がつかなかったようなLP、SPレコードが、最近市場で人気だとは、店主も耳にしたことがありました。

RIMG0930何とか対処法を考えましょうと、その場では回答したのですが、総会後の懇親会で発言者と同じテーブルとなり、そこで面白い裏話をお聞きしました。

九州のある市場で、SPレコードの束が出品され、他に競る人もなく、ごく安値で手に入れた業者がいたそうです。

ご当人もさして期待せず、それらをネットオークションに出してみまたところ、中の一枚にとんでもない値が付き始め、最後は500万円以上にまで跳ね上がったとか。

以来、二匹目のどじょうを狙って、SPレコードを扱う古書業者が急増しているといいます。ささやかなゴールドラッシュとでも言ったところでしょうか。

konoinfo at 22:13│Comments(0)TrackBack(0)

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