2016年07月22日

ヒドロパス

今日の明治古典会は、古い雑誌類の一口と、中国美術書関係の一口で、質量ともに充実した市となりました。

中国美術書はどちらかと言えば白っぽいものが中心でしたが、これほどまとまって出ることは珍しく、ご時世も相まって、それなりに良い値になっていたようです。

一方雑誌の口は、先輩業者の在庫整理による一連の出品の続きで、メール、ファックスの宣伝文句によれば「国文・宗教・古典芸能・美術・趣味などカーゴ8台!」。

大正から昭和戦前といったあたりが多かったように思いますが、ヤケ傷んで、背も剥がれたりした雑誌の大山に、思った以上に沢山の札が入って、ちょっと驚くような落札価でした。

出品者である先輩業者の、弟子筋に当たるF書房さんが、例によって肝心なところは独り占めするような勢いで落札して、同業を呆れさせ、悔しがらせておりました。

しかしそのFさんを悔しがらせたのは、最終台にあった1冊の雑誌。それが『感覚料理器ヒドロパス』創刊号です。

1925年刊とされるその雑誌は、いわゆるモダニズムの時代、ダダイストたちが関わった詩誌だということです。

RIMG1199珍しい本であることは確かです。国会図書館にもCiNiiにも所蔵データはありません。しかし復刻版を見ることが出来る(ゆまに書房『コレクション都市モダニズム詩誌』)のですから、天下の孤本というわけではないでしょう。

ところが小振りな映画パンフレットほどのその雑誌が、今日一番の落札価格でした。のみならず、一冊の雑誌としては、店主の知る限り、過去最高の価格をつけました。

今となると、もう少しじっくり見ておけばよかったと悔やまれますが、他人の商品になるのだと考えれば、やはり店主のごとき野次馬が、むやみに弄り回さなくてよかったとも思うのです。

konoinfo at 22:29│Comments(0)TrackBack(0)

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