2016年07月27日

見つける速さ

「日本の古本屋」には、現在のところアラート機能は設けられておりません。いずれ付けたいという希望はありますが。

探している本が出品されると、そのお客様にお知らせが行くという仕組みのことです。

ところが、まるでそのない筈のアラートが届いたとしか思えないようなタイミングで、出品したと思ったら、間をおかずご注文いただくことがあります。

64369これもそんな一冊でした。『その前夜 第二次世界大戦中、独伊に使いするの記』(頼惇吾著 編集兼発行者:頼良子、彌永昌吉 昭47)。

先日、宅買いでお引き取りしてきた中の一冊で、編者である数学者の彌永さんから、お分けいただいた本だとおっしゃっておられました。

著者は海軍技術者として開戦前夜、すでに戦争が始まっていた独伊を視察。昭和16年の1月からの1年間、書きつづった日記を、後年、「娘たちに見せるために纏めた」ものといいます。

もともと公開の意志はなかったのですが、聞きつけた周囲から出版を勧められ、大部分の原稿が出来上がったところで病を得、ついに遺著となったというのが刊行までの経緯。

四六判で484頁、「メモをしたノートは千頁余りにわたる格別詳しいもの」(夫人編集後記)とありますが、その資料的価値については、店主には判定が付きません。

いずれにせよ、このような私家版が出品されたことを、日ならずして見つけ出すというのは、いったいどんな探索網をお持ちなのでしょうか。それともよほどの偶然でしょうか。

感心しながらクレジット決済のための確認メールを送信すると、それこそ瞬く間に、決済完了の知らせが返ってまいりました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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