2016年07月30日

3時間

80歳に手が届こうという古本屋のオヤジさんが、ある日店番をしていて体調が悪くなり寝込んだと、ご家族から息子さんに連絡が入ったそうです。

息子さんは50代で、独立して別の店を持っています。自分の店は店番に任せ、すぐにオヤジさんの店に飛んで行きました。

着いてみると軽い熱中症だったのか、大事には至らずに済みそうな様子。しかし今日のところは店を閉めて、ゆっくり休むように諭し、息子さんが店をしまうことにしました。

RIMG1206ところが表に積んである本の量と、店内の空きスペースを比べると、どう見ても全部入るとは思えない。片付けあぐねていると、いくらか元気を回復したオヤジさんが起きてきて、その指示を得てようやくのことでしまい終えたそうです。

呆れ果てた息子さん、これだけの本を出して店を開けるのに、毎朝一体何時間かかっているのかと、オヤジさんに尋ねました。

すると帰ってきた答えは「3時間」。

これを聞いて、改めて親子で話し合い、この際処分すべき本を処分しようということが決まり、このほど知り合いの回収業者を呼んだところ、その量がトラックで4台に上った――というのが、過日その息子さんから直接聞いた話のオチでした。

何とも考えさせられる話です。教訓に富んでいると言ってもいいでしょう。しかしこの教訓を、ほとんど生かせないのが古本屋という種族です。

一緒に聴いていた、そのオヤジさんと同年配の同業も、「うちの店も似たような状況になっているな」と苦笑されていました。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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