2016年08月28日

妙な連想

半袖では肌寒いような朝、久々のバス通勤です。

日曜日とあって車内は空いていて、ゆっくり座ることができ、先日から読み始めた文庫本をバッグから取り出しました。三木成夫『内臓とこころ』(河出文庫2013年)。

店主は、三木の遅れてきた読者であることを、白状しなければなりません。かねて面白いとは聞いておりましたが、今日に至るまで、著作を手にする機会がなかったのです。

手にしなかったというのは正確ではありません。以前『生命形態学序説 : 根原形象とメタモルフォーゼ』(うぶすな書院1992年)という専門書を、入荷したことがあります。

学生さんが教科書として使われたもののようでした。傷んで、書入れなどもあったと記憶しています。おそらく10年ほど前になるその時点で、すでに評判は聞いておりましたので、前書きくらいには目を通したはずです。

しかし結局、専門性が高すぎて、店主の読書対象とはなりませんでした。

今度は文庫本になっているだけあって、一般読者向けの内容です。読み始めてすぐ、これは確かに面白そうだと感じました。目からうろこというか、意表をつかれるというか、言われてみればその通りという話の連続。

人間を生物レベル、いや細胞レベル、もっと言えば分子レベルにまで「解剖」し、宇宙との感応を説いてみせるのです。

ところで本題とはまるで関係なく、店主が妙な連想を得た個所があります。それは生物の二大本能について語った部分。

そのひとつは自分のからだを外敵から守りながら、養ってゆく「個体維持」の本能。もうひとつは自分をぎせいにして子どもを育ててゆく「種族保存」の本能――要するに食と性の本能です。
RIMG1341
個体維持を個店維持、種族保存を業界保存と読み替えたとすると、自分は食よりも、性に熱心な人間ということになるのだろうか――そんなことを思ったりしたのでした。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

12月31日から1月3日まで
休業いたします
Profile

河野書店

Archives