2016年09月17日

連休閑談

ゆうに1時間以上、哲学の棚から歴史の棚と、じっくり本をご覧になっておられた外人さんが、入って来られた時と同じように静かに帰って行かれ、土曜の夕方、店内はまた無人となりました。

店内の洋書は、学術書の割合が高いので、母語であるからというだけで手に取られる方は多くありません。日本人、外国人を問わず、研究生か先生方が主な購買層です。

とするとこの方も、留学生、あるいは若い先生でしょうか。鼻緒のついたサンダル履きにジョガーパンツの軽装で、ご近所の方のようにも見受けられますが、散歩の途中だったかもしれません。

それにしては、ずいぶんゆっくりしていかれました。外国の方で、これほどゆっくりされるのは珍しいことです。やはりご近所かも。

72577民泊のせいばかりではないでしょうが、外国人の姿を、駒場でも最近とみに多く見かけます。小店の店先でも、様々な国の言葉が交わされるのを聞くことができます。

しかし本に興味を示される方の割合は、決して多くありません。表のジャンクおもちゃをあれこれ手に取って、隣の本には見向きもされず、ということのほうが普通。

旅行者であればそれも仕方ないでしょう。たとえば外国を旅行していて、日本の本が店先にあるのを見つけたとしても、よほどの本好きでない限り、わざわざ立ち寄ろうとは思わないはずです。

要するに、たとえ洋書を扱っていても、古書店にインバウンドの恩恵は期待できないということ。改めて言うまでもありませんが。

一日雨が降らなかったのは、久しぶりな気がいたします。今日の外人さんも、三連休の初日で、時間にゆとりが出来、散歩に出る気になられたのかもしれません。

きっと次には、お財布をもってご来店いただけることでしょう。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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