2016年09月26日

文書(もんじょ)を読む

今朝の朝日新聞「ひと」欄に、東京大学の松村剛先生が登場されていました。

記事によれば、「中世フランス語辞典」なるものを編纂され、それがフランス学士院の表彰するところとなったということです。

先生には、過去に2度3度、良い宅買いの口をご紹介いただいたという、ご恩があります。わがことのように、と言えば厚かましすぎますが、嬉しいニュースでした。

それにしても中世の文書(もんじょ)に当たるとなれば、当然写本が中心になるわけです。

店主はまだその実物にお目にかかったことはありませんが、いくつかの影印本を目にしたことがあり、それがいかに判読困難なものかは存じております。

判読と言っても語学力の問題ではありません。それ以前に、abcの区別すらつかないのです。

片づけ仕事をしていると、偶然にもFrancois Villon, Le Petit et
le Grant testament.
(Slatkine Reprints, 1977) が見つかりましたので、適宜開いたところをスキャンしてみました。

testamentこれが中世写本と言えるかどうかは存じませんが、当然、これも先生の読まれたうちの一つであるはずです。こういうものを文字として識別するためには、どんな訓練を必要とするのでしょう。

あるいは漢字の草書体のように、筆法の決まりがあるのでしょうか。もっともわが国の写本だって、店主には皆目読み取れないのですが。

崩し字くらいは読めたらいいなと、漫然と願うだけの店主にとって、フランス写本を読みこなすなどという能力は、ほとんど宇宙人の仕業としか思われません。

しかし我が国の古文書を読み解く外国人研究者もおられるのですから、宇宙人は案外多いのかも。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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