2016年10月22日

カルチャーの秋

今日は駒場キャンパスで「日本民藝館創設80周年記念シンポジウム」なるものが開かれており、「聴講無料」に惹かれてしっかり予約を申し込んでいた家人は、午後からそれを聴講に出かけております。

陽射しがなくひんやりとして秋の深まりを感じる土曜日、一人で店番をしていても、朝から売れるのは店の前のジャンクおもちゃばかり。

100円ミニカーを30個ばかり爆買いしていった、軽トラックのお兄さん、子連れでやってきて自分のほうが興奮し10台をまとめ買いしたお父さん。

入荷したばかりのNゲージの箱に張り付き、時間をかけて5台を選んで行った母子連れ。その他にも時折、ポツリポツリと売れていきます。

一方、本のほうは表の均一本が、もっと間遠に1冊、また1冊と売れるくらいで、その売り上げを合計しても、おそらく爆買いのお兄さんにも叶わないのではないでしょうか。

まもなく「神田古本まつり」も始まろうという「読書の秋」。この言葉は、もはや死語かとさえ思われます。

ただこの季節は「文化の秋」でもあるわけで、駒場界隈に限っても日本近代文学館の「漱石−絵はがきの小宇宙」展、東京大学駒場博物館では「マザリナード集成」展が開催中。

cultureあるいは本を読まれるような方々は、こうした展覧会見学に忙しいのかもしれません。

しかしそれならその行き帰りにでも、小店を覗こうという気になっても罰は当たらないはず。やはりそもそも、駒場を訪れる人の数自体が少ないのだ、と結論しておきましょう。

残された僅かな希望は、狭まる喫煙場所に愛煙家が蝟集するごとく、小店あたりにも、本好きの方が足を向けてくださることですが、それで商売が上向くかどうかはまた別の問題です。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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