2016年11月11日

遅きに失する

昨日の午後のことでした。一人のお客様が「このあたりにあった『チョムスキーの「アナキズム論」』は売れてしまいましたか?」とのお尋ね。

そう言われればと、その棚に行き「いつ頃ご覧になりましたか?」「2〜3週間くらい前ですかね。やはり見た時に買っておくべきですね」。

「そういうもんですね」と、その場はお答えして、お客様はお帰りになりましたが、店主の心は波立ちました。データを確かめると、まだ在庫していることになっています。この2〜3週間で売れた記録もありません。

このところ、棚に挿してあるはずのご注文品が見つからず、売り上げ記録もないというケースが何件かありました。不安になって、近くの棚を順に見ていくと、一瞬、目を捉えた違和感。

気がつけば、フランス文学関係の棚に、分厚い英和辞典が嵌め込まれています。少し置いた隣には、歴史系の洋書が挿してあります。店の誰も、この棚にこんな本を挿すはずがありません。

しかもこの棚は、たまたまその朝、整理したばかりでした。その時にそれらが並んでいれば気がついたはずです。その2冊を除けて出来た隙間、本来そこにあったはずの本は何だったか。

データと照らし合わせると、次の3冊がなくなっていることが分かりました。『スタンダール変幻 : 作品と時代を読む』(慶應義塾大学出版会)『ゾラの可能性 : 表象・科学・身体』(藤原書店)『評伝ジャン・コクトー』(筑摩書房)。

初めの1冊はともかく、この3冊については、その手口からして、決して出来心などではないでしょう。何とも情けない思いで、怒る気にもなれません。

RIMG1545ここに至って、ついに一つの決断をいたしました。店内木製棚エリアへの、鞄類の持ち込みをご遠慮いただこうというのです。そのための置き場も用意しました。

狭い通路ですから、この際、背中のリュックも置いていただければと思います。お客様各位のご協力を、なにとぞお願い申し上げる次第です。

konoinfo at 22:30│Comments(0)TrackBack(0)

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