2016年12月23日

市場の知恵

RIMG1450明治古典会の一年を締めくくる、クリスマス特選市が終わりました。

1点で100万円を超えるような特別な商品は、それほど多くはありませんでしたが、数十万円の取引価格の物は数多く見られました。そのレベルでも古書店としては高額なものです。

そういう高額発声を聞くたび、一瞬耳がそばだちます。どんな商品だったのか、買ったのは誰だったのかと。

通常の置き入札では、並べられた商品には封筒が添えられていて、業者はそれに札を入れます。経営員が順次開札をしていき、落札価格と書店名を封筒に記載します。

落札者の札が商品に付けられ、残りの札は封筒に戻される。その封筒を回収して、札改めのところへ持って来る。

札改めの役割は、残されている札と封筒に記載された落札価格、および落札者を見比べ、そこに誤りがないかを確かめる。その検査を経た封筒が発声台に回され、そこで読み上げられる。

この時点で、商品の所有権が出品者から落札者に移るわけで、これは間違いがあってはならない、というより間違いを防ぐための、大変重要な手順です。

それでもまれに、間違いが起きます。札改めで発見される開札の誤りは、一回の交換会で数度。ここまでなら、まだ未然に防げたと言えるでしょう。

発声直後に異議が出ることもあります。もっと高札を入れたつもりだとか、その商品に札を入れた覚えはないとか。これもまだ検証可能ですから、ほとんど無事に収まります。

問題は、同様な異議を後日に訴えられる時です。開札や札改めにミスがあったのかもしれません。しかし検証が難しい場合が多い。業界ではそれを「事故」と呼んでいますが、その解決は長年の経験、いわば慣習法に基づいています。

多岐にわたる事例を裁くのは、もっぱら担当者の知恵に任されているというわけです。

konoinfo at 23:42│Comments(0)TrackBack(0)

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