2016年12月26日

署名本を判定する

先日の明古クリスマス特選市に、ヘミングウェイ『老人と海』署名識語入りの1冊が出品されました。初版初刷の美本なら、100万円以上はするものです。

ある同業が店主に、「この署名は本物か」と尋ねます。店主を洋書会の会員と見込んでのお尋ねでしょうが、残念ながらその方面にはとんと疎い。

店主は明古の会員でもあるわけですが、漱石や三島の署名だって判定できません。威張ることではありませんが。そもそもこれは所属の問題ではなく、扱い分野の問題です。

日本書、洋書を問わず署名の真贋は、経験を積んだ専門家でない限り、正確な判断を下すのは難しいでしょう。

門外漢は状況証拠から見ていくしかありません。まずは来歴。過去に誰が所有していたか。それを辿る中で、著者との接点が見つかるか。

RIMG1581次は保存状態。どのような取り扱いを受けてきたか。大切にされてきたものが必ずしも本物とは限りませんが、署名をもらった本をぞんざいに扱うことはあまりない筈です。

残念ながらこの本は初版初刷ではなく、美本でもありませんでした。それでももし署名が本物なら、それなりの値打ちがあります。

くだんの業者は店主に、どこからか探してきたヘミングウェイ署名の画像を見せてくれました。それを見る限り、なんとなく違いがあります。しかしネット上で検索してみると無数の署名が現れ、中には似たものもありました。ますます薮の中です。

結局、冒険心のある若い業者の手に渡りました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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