2017年02月09日

いいとこどり

先週金曜日の明治古典会に、美術関係の白っぽい研究書が、割合まとまって出品されていました。明古にとっては珍しいことではありません。現にその前の週にも、一口らしい美術書の出品がありました。

しかし、先日の出品は何か店主のアンテナに感じるものがあり、何点か入札したところ、2点だけ落札することが出来ました。あわせて40冊程度になります。

昨日ルート便で届き、早速値付けをいたしました。どちらも上札でしたから、あまり儲けは出ないだろうと思いながら見ていくと、中の何点かが、版元品切れとなっていることが分かりました。

RIMG1728それらが売れてくれれば、利益は出せそうです。といって、あまり高くつければ売るのが難しくなるのは道理。どこやらのサイトのように突飛な値をつけるのは、「矜持」が許しません。

まるで専門外の本なら、それもご愛嬌で済むかもしれませんが、仮にも「和洋学術芸術書」という看板を掲げているのですから。

ともあれこの口、儲かるかどうかはともかく、ほとんどが店に並べておきたい本ばかり。いったいどなたの旧蔵書かと思いながら作業をしていると、献呈署名の書かれた本が出てきました。

それで合点がいきました。今年、定年となったはずの東大の先生。その研究室から出た本のようです。駒場ではなく本郷ですから、小店とはおなじみが薄い。

どこの本屋さんにお声がかかったのでしょう。ちょっと羨ましい気もしましたが、すぐ考え直しました。市場で、自分の欲しい本だけを買わせていただくというのも、充分ありがたいことであると。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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