2017年03月12日

南部の落札品

昨日の南部入札会は、好みに合う文庫本の出品がなく、気のない札を入れた1点は、もちろん落札できませんでした。

その代り、目について札を入れた洋書の口2点、これがどちらも落ちていて、今朝引き取ってまいりました。一つは5本口、もう一つは8本口。この嵩物に入札したのは、どちらにも中に少しずつ、欲しい本が入っていたからです。

LIVIVS5本口の方は、してやったりの大満足。リヴィウスの『ローマ建国史』、その羅独対訳版11冊揃いを手に入れることができました。ほかに気づく同業がいなかったのか、下札で落札。

カバーに印刷された背文字はLIVIVSと、原本の巻数を表すローマ数字だけ。順に並んでいなかったので、あちらこちらと目で追って、抜けがないことを確かめたのでした。

これに対して8本口の方は、ちょっと反省です。高いとは言えない札の、それも下札で落ちたのですから文句は言えませんが、安物買いのなんとやら。

背は比較的きれいでしたが、小口側に汚れが目立ち、角も傷んでいる本が多い。目当ての本で状態がまともだったのは、ごく僅かでした。

それより驚いたことがあります。殆んどペーパーバックばかりのこの口には、オンデマンド版が数多く含まれておりました。そのうちの1冊、StracheyのEminent Victorians、これはほぼ未読の状態でしたが、開いて見るとあちこちに線引きがあったのです。

なんとその線引きは、原本に引かれていたもの。入手困難な貴重書ならともかく、元版でも均一にされるほどありふれた本。何もわざわざ線引き本をスキャンしなくともと、呆れました。

しかしスキャンされてみると、あまり線引きが気にならないのも確か。それが何とも不思議です。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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