2017年04月21日

明古の熱気

なかなか明治古典会らしい市でした。いわゆる黒っぽい本が多く、さらに紙もの(地図・版画・資料類)も、たくさん出品されていました。

特に最終台(一番最後に開札される陳列台で、ここに載せるものを特陳品といいます)には、稀覯初版本から戦前児童雑誌の組立付録といったようなものまで、それぞれ珍しいものが、選りすぐって並べられておりました。

とりわけ関心を集めたのは『飛行官能』という、版画家として著名な恩地孝四郎による写真集。本書については、国立国会図書館デジタルコレクションで中身も参照することができます。ご興味のある方はどうぞ。なるほど現在、こういう本の人気が高いのかと分かります。

RIMG1874実際、今日一番の、驚くような高値で落札されたのですが、開札時間ぎりぎりまで、何度も札を書き改めては入札する業者も多く、はたで見ていても熱気が伝わってきました。

胸おどらせて入札し、固唾をのんで開札を待つという心境を、店主は絶えて久しく味わったことがありません。うらやましく眺めるばかりでした。

落札者と落札額が発声され、驚きと落胆の輪が広がる中、ただ一人の勝者は勝者で、喜びとはうらはらに多少の不安も頭をもたげたことでしょう。しかし近頃では、すでに注文を取っている場合もありますから、店主などが余計な心配をするまでもないのかもしれません。

それにしても、いつもながら気になるのは、こうした人気商品には、数多くの手が伸びることです。秘蔵されていたような美本も、この一日で何十人もの手に触れられ、場合によっては傷んでしまうことさえあります。

業者なら誰でも手に取って見られるという良き慣習にも、改善が必要な時期が来ている気がします。

konoinfo at 21:00│Comments(0)TrackBack(0)

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