2017年04月24日

あるディスプレイ納本

さる美術館に出来る喫茶店に、ディスプレイとして並べる洋書が欲しいというご注文をいただきました。

お話しを聞いてまずご提案申し上げたのは、単に飾りとして見た目の良い本ではなく、場所柄にふさわしい本を並べたらどうかということ。

ご異存ないとおっしゃいます。さらに必要な冊数、ご予算を伺うと、何とかなりそうな額でしたから、お受けすることにいたしました。

そこで美術書の棚から、ある程度見栄えがしてヤケシミの目立たない本を、およその一冊単価で見当をつけながら抜き出して見ました。

もちろん、棚に挿してから一定期間以上経ったものを選びました。その中でも常備すべき本の場合は、複数在庫があるものに限りました。

所詮は限られた在庫の中から選び出すのですから、おのずと限度があります。それでも、それなりに恰好がつくよう苦心いたしました。

RIMG1880とまあ熱心に本を選んで見たものの、結局のところディスプレイであることに変わりはないのではないか。そんな思いもないではありません。

今回は数十冊のことですが、かつて大学図書館新設ラッシュのころは、この何倍もまとめて納めた古本屋さんもあったという話は良く聞きます。

しかし、そうして納めた本だって、半ばディスプレイだったかも知れないとも思うのです。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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