2017年05月02日

「廃棄」を考える

まだ開業して間もないころに一度、本をお売りいただいたことのあるご近所の男性。

良く記憶していますのは、お父上が東大で数学を教えていらしたと言い、お名前を伺うと、そのころまだ定番であった数学教科書の著者だったからです。

もっともその時お譲りいただいたのは、数学書ではなく、ご本人のものらしい一般書でした。

店主より一回り以上は年上だと思いますから、けっこうご高齢。それ以降、たまにお探しの本を尋ねに来られることはありましたが、今回はずいぶん久しぶりです。

入って来られるなり「大変な話ですね、1万冊廃棄ですか。驚きましたよ」。桑原先生の蔵書のことです。続けて「ここにはどれくらい本があるのですか」とのご質問。

「数えたことはありませんが、2万冊くらいだと思います」「そうですか、管理が大変でしょうな」「いえ、とても管理できているとは言えません」

RIMG1826お話しだけされるとお帰りになりましたが、それで改めて考えさせられました。一口に1万冊廃棄と言いますが、仮に1箱30冊としても、300箱の段ボール箱になります。

もし古書店に払い下げたとすれば、一店で処理できる量ではありません。市場にでも出ていれば、その量だけでも必ず話題になっていたはずです。

となると古紙回収業者か産廃業者。過去にこうした業者によって、貴重な資料が目ざとく見つけ出され、古書市場に現れたケースも少なくありません。

今回はごく誠実な処理業者の手によって、厳正に処分されてしまったのでしょうか。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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