2017年06月09日

知はお金なり

今日の明治古典会で店主が気に留めたのは、最終台に乗っていた一冊の本。

なにがし』という表題があり、尾崎紅葉・泉鏡花の名が二つ並んで書かれています。奥付にある著者名は尾崎徳太郎のみ。

KIMG0018聞き覚えがあるのは『日本文壇史』で読んだからに違いない。確か、鏡花が書いたものに紅葉が手を入れたのではなかったか。そこまでは朧気ながら頭に残っていました。

もちろん、だからと言って入札しようというのではありません。まったくの野次馬根性で、開札を待っていただけのことです。

結果は、本日の最終発声。それ以上に高額な商品が、出品されていなかったわけではありませんが、成立したものとしては、今日一番の高値となったのでした。

店に戻ってから、『日本文壇史』をひっくり返してみました。そして分かったのは明治27年、鏡花の「義血侠血」「予備兵」に紅葉が手を入れ、読売新聞に発表した時の筆名が「なにがし」だったということ(第3巻)。

一年後にその筆名を表題とし、尾崎・泉の名で春陽堂から出版されたのが本書で、実質的な鏡花のデビュー作と言うわけです。

傷んでいるとはいえ袋が残っていたおかげで、本体は良い状態で保存されています。そうと知れば、まず納得の落札価格でした。

ところが市会後に聞いた話によると、その一冊は、先日の南部大市会で、ある業者が数束にされた本の中にあるのを見つけ、その落札額の10分の1以下で手に入れたものだったとか。「知は力なり」とは言いますが。

konoinfo at 21:00│Comments(0)TrackBack(0)

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