2017年06月26日

読書百遍

RIMG1979分からないけれど面白い、という本もあるものです。

たまたま木田元さんの『反哲学入門』『ハイデガー拾い読み』という2冊の文庫が手に入り、パラパラと目を通してみました。

『ハイデガー』はちょっと取っつきにくそうに感じましたが『反哲学』は「哲学のことなど何も知らない」人に向けて話したものをまとめたと「まえがき」にあります。それならばと、読んでみることにしました。

同じ本の単行本なら、以前から店の棚にささっています。しかし店主の読書時間はもっぱら市場の行き帰り。文庫本なればこそ、読む気にもなったのです。

読み終えるのにそれほど時間はかかりませんでした。面白かったからです。けれども理解できたかと言えば、ほとんど理解できていないような気がします。

ゴシップ的な話だけは頭に入るのですが、「生得観念」だの「超越論的主観性」だのと出てくると、もうついていけません。若い頃ならもう少し、消化能力があったように思うのですが。

そんな情けない読者のためともいえるエピソードが、紹介されています。

昔東北大学にオイゲン・ヘリゲルという『弓道における禅』という本でドイツに禅を初めて紹介した新カント学派の先生がいたんです。そのヘリゲルさんが『純粋理性批判』を七十二回読んだけれども、分からないから、いま七十三回目を読んでいる……

若き日の木田さんが、カントを読んで分からないとお父上に話されたとき、諭された言葉だそうです。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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