2017年07月11日

ある稀覯本の運命2

6月23日の明治古典会特選市に、何点か近代詩集の署名本が出品されております。

勘の良い稀覯本専門店主は、それが今回の立原と、同じところから出たものではないかと感じていたようです。

RIMG2039店主(私)が伝えた出品書店の名は、彼の推測を裏付けるものでした。しかし「合点がいった」というのは、それだけのことではありません。

仮に出品者をK書店さんとしておきましょう。「あの本はずっと昔に、Kさんの店で買ったものの筈だ」というのです。「だからKさんのところに戻ったのは、至極当然のことだろう」。

しかしこの「合点」は、少しばかり実情とは異なっていました。というのも、店主がKさんから話を聞いた限りでは、この本を処分されたお宅では、それがどんなものかもご存じなかったようなのです。

本の持ち主はすでに10年以上前に他界されており、そのご家族から「単に近所だからということで、電話をいただいたようだ」ということでした。

それも「世界文学全集などを引き取ってもらえますか」が初めの言葉だったとか。伺ってみると、押入れから出して積み上げたらしい本の山は、せいぜいカーゴに1台。それも保存状態が悪く、半分方は業界で言うところのツブシだったとか。

そんな中に、そうした署名本詩集が何冊も混じっていたというのですから、ご家族もご存じない、まさに「知られざるコレクター」だったのでした。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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