2017年07月30日

沿線を流す

今月号の『本の雑誌』に、坪内祐三さんが山口昌男さんのことを書いておられます。

見開き2頁の短いものですが、その中に山口さんが駒場で講義を持っていた時のことが書かれていて、次のような箇所がありました。

授業を終えると、二人で昼食をとったのち(駒場のそば屋「満留賀」は異常にボリュムがあってお腹がすいていた二人は大盛りを頼んで目を白黒させたことがある)、井の頭線沿線の古本屋を流した。

この部分は、ご自身が『新潮』1995年7月号に書かれた『敗者の精神史』の書評からの引用になっており、そこで4年前の話とされていますから、講義があったのは1991年ということになります。

実はこの雑誌を買って読んだのは末の娘で、娘から「この古本屋はうちのことか」との質問を受け、一文を読ませてもらったのです。

RIMG2038もちろん河野書店はすでに開業しておりましたから、この「古本屋」に小店も含まれていることは確かでしょう。

しかし「沿線を流した」というのですから、池ノ上のアゴラさんや由縁(ゆかり)さん、下北沢の幻遊社さん、白樺さんなども、当然回られたはず。

淋しいことに、この中でいまも店が残っているのは、由縁さんだけになりました。

その一方、下北沢には近年になって、ほん吉さん、クラリスさん、明日さんが出店。組合非加盟店も入れると店舗数は増えています。「流し」のお客さまが、増えてくれることを願うばかりです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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