2017年08月11日

書簡類の一口

RIMG2136祝日ですが、明治古典会が開催されました。明日から古書会館が夏期休館となり、来週の金曜日は休会となるためです。

実のところ、大変心配しておりました。ただでさえ出品の少ない時期、まして祝日開催です。はたして荷が集まるだろうかと。

朝、会場に着くとそれが杞憂であったと分かりました。決して大量というわけではありませんが、4階のフロアにも本が並んでいます。3階だけの1フロアで市を開くことも覚悟していましたから、会としては御の字です。

陳列されたものを確認していくと、すぐに一口ものの存在に気づきました。

出品封筒には、荷主を表す数字が書き込まれるのですが、同じ数字の封筒が沢山あります。しかも本ではなく書簡が中心なので、余計目につきます。その宛名がほとんど同一人物。つまりその宛先の所から出た一口でした。

そのお名前くらいは申し上げても良いでしょう。野上弥生子、あの漱石の弟子として作家生活をスタートさせた、女流文学者です。

ご長命の方でしたから、生涯に交わした書簡が数多いのは肯けます。ただそれを保管しているかどうかは、人によりさまざま。たとえば漱石自身は、来簡の多くを焼却廃棄したことが知られています。

有名無名、実に多くの書簡葉書が、丹念に整理されていました。ただしこれは作家と縁の深い出版社による作業だろうと思われます。

書簡の値打ちは、書き手にあることは言うまでもありません。次に内容、そして宛先。三拍子そろったものは、特に良い値がつき、今日の市場を盛り上げてくれました。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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