2017年12月01日

十万節塔

RIMG2441今日の明治古典会には、比較的最近出版された、いわゆる白っぽい学術書の口が複数出ておりましたので、割合熱心に見て回り、札も入れたのですが、ほとんどは絡みもしませんでした。

とまあそれは個人的なお話ですが、本日の市会で仲間内の話題を独占した感があったのは、最終台に載せられた聳え立つ木造塔です。

聳え立つは大げさかもしれませんが、最終台に並ぶのは本にせよ紙ものにせよ、比較的平面的な陳列物が中心です。そこに40cmを超える塔が屹立しているのですから、嫌が応にも目を引きました。

百万塔を巨大化させたようなそれが「十万節塔」と言われるものであることを、店主も今日初めて知りました。百万塔は三重塔ですが、こちらは十三重塔。

百万塔については、いまさら説明の要もないでしょうが、ご存じない方はWikipediaででもお調べください。その百万塔を十万基作るごとに一基作成したところから、十万節塔の名が付いたようです。

つまり百万塔が実際に百万作られたとすれば、十万節塔がつくられた数は十基。単純に考えても、十万倍の希少価値があることになります。

詳しい先輩会員の話では、その十基のうち現存するのは法隆寺の一基のみのはず。今目の前にあるのは明治期に作られたレプリカだろうといいます。しかしレプリカでさえ、それほどお目にかかるものではないとか。

果たしていくらになるだろうと、興味津々で一同開札を見守りました。

結果はトメ(売買不成立)。見たこともないような桁数の金額が、止め値として札に書かれておりました。数枚の入札がありましたが、いずれもレプリカと判断されたのだろうという金額。

つまりは荷主さんは、これを本物と考えておられるということでしょうか。

konoinfo at 22:37│Comments(0)

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