2017年12月24日

古本屋の眼

今朝の朝日新聞読書欄に、2017年ベストセラーのトップ20が掲載されておりました。

今さら驚くこともありませんが、20点のうち、タイトルすら聞いたことがない本が半分以上。もう少し正確に数えてみたところ、タイトルくらいは新聞広告などで見知っていた本が、8点ありました。

他の本もおそらくは、頻繁に広告されていたことでしょうから、目にはしているかもしれません。見れども見えず、まったく印象に残らなかったと思われます。

RIMG2481もっとも、聞き覚えのあった8点も、古本屋として興味を惹かれたからでないことは、言うまでもありません。初めからベストセラーに興味がないのが、古本屋です。

それではと、1枚めくって書評委員が選ぶ「今年の3点」という副題がついた、見開きページに目を走らせました。

さすがにベストセラーよりは興味深い本が並んでいます。ただし読者として見たら、という断りつきで。

古本屋の眼でみると、例えばこれらのうち、この先何年、何十年、それを探し求める人たちがいる本は、どれくらいあるのかと考えてしまいます。

しかし膨大な出版物の中で、残るものが少ないというのは、昔からさほど変わりのないこと。古本屋にとってそれほど重大な問題ではありません。

より深刻なのは、その数少ない残るものが、必要なものであればあるほど、今後はおそらく、いつまで経っても簡単に手に入るだろうということです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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