2018年02月25日

拾い読む愉しみ

市場でのこと。何冊か、あるいは何十冊か束になって出品されている中に、ちょっと自分で読んでみたい本が見つかり、それが入札する動機になることがあります。

もっとも、ほかに値踏みすべき良い本がたくさん混じっていれば、なまじな札では落ちてきませんし、逆に目ぼしい本がなければ、その一冊だけどこかで手に入れて読む方が安上がりです。

obiですから、いい按配で束になっていて、うまい具合に落札できるというお得なケースは、そうそう多くあることではありません。

先日、そんな一束に出会い、首尾よく落札できました。読んでみたかった一冊というのはこの『本は生まれる。そして、それから』(小尾俊人、幻戯書房、2003年)です。

小尾さんとは生前、ひと言ふた言、お話させていただく機会がありましたが、どの程度こちらを認識なさっていたかは、定かではありません。古本屋であるくらいは、承知してくださっていたでしょうか。

それはともかく、尊敬する出版人の書かれた本です。後日、店に届いた落札品の中から抜き出して、さっそく拾い読みをいたしました。

短いエッセイや談話がほとんどで、拾い読みにはうってつけ。お昼の食休みの時などに目次を開き、興味をひかれたものから、少しずつ読んでおります。

外国の出版社についての話が、店主にはとりわけ「面白くてためになる」。プレイヤード版の現在の初版部数は最低1万2千部、いままでの最高はサン=テグジュペリで30万部などと知りました。

なるほど小店でも、彼の巻は何度か入荷しましたが、いずれもすぐに売れております。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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