2018年04月17日

かつての教え

お昼過ぎに古書会館に着くと、4階はとんでもないことになっていました。平台の上はすべて本で埋まり、まだ仕分けの真っ最中。聞くと、カーゴ10台の出品だとか。

脇に2台、本が積まれたままのカーゴがありました。結局今日は、8台を仕分けるので手一杯。後は来週に回されることになったようです。

フランス・ルネサンス文学研究者の旧蔵書。そう聞いてすぐ想像がつくように、渡辺一夫さんのお弟子にあたる方です。もちろん他にも、何口か出品はありましたが、会場の8割方は、その口で埋められていました。

お弟子さんと言っても、亡くなられてすでに15年ほど経っているはず。今まで手つかずのままだったのでしょうか。

フランス書の古い紙装本は、仕分けるのに骨が折れます。結局、全品に封筒がついて入札できる状態になったのは、午後2時を回ってからでした。

RIMG2728出品した同業の話では、ほかに和書がカーゴ6台、あわせて16台あったそうです。店主と違い、選ばずにそっくり持ってこられたのでしょう。経費もかさみ、労働の負担も大きくなりますが、古本屋としては正道であるともいえます。

たとえ大半が値にならず処分されてしまうような本の山に見えても、中にどんな貴重書が紛れ込んでいないとも限らない。ともかく何でも引き取って市場に。店主もかつて、そう教わりました。

今や、その教えを疑いはじめている店主ですが。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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