2018年05月25日

赤毛氈余話

RIMG2840明治古典会は5月の特選市。つまり今日で、明古の5月も終わりということ。

いつもは1列だけの最終赤毛氈台を、特選市の場合は2列に増やして、スペシャル感を演出します。

ただいくら演出を心がけても、そこに並ぶのが詰まらないものでは、会は盛り上がりません。荷受けの段階から事業部員それぞれが、最終台にふさわしい商品選びに注意を払います。

特選市というだけで、不思議と普段より良いものが集まるのですが、それでも通常の倍の赤毛氈台を、一定レベル以上の質で埋めるのは簡単ではありません。

誰かが並べたものを、別の誰かが却下するということもしばしば。とりわけ真贋の問われる自筆ものともなると侃々諤々の末、採用されたり、外されたり。

そこまでして真剣に選び出し作業をしても、期待外れのこともあれば、逆に最終台以外のところから思わぬ高値が出て、目の無さを恥じたりすることもあります。

入札者は場所にとらわれず、自分の目で判断するはずですから、結局は運営側の自己満足に過ぎない――と言ってしまえばそれまでですが、やはり自分たちで選んだものが、高値で落札されるのを見るのは嬉しいものです。

今日は北園克衛の書簡一括や、滝口修造の草稿、赤瀬川原平の画稿など、明治古典会らしいものが赤毛氈の上で良い値になっていました。

しかし、落札最高価格は毛氈台から外れた場所に置かれた中国拓本8巻。ただし1巻が幅約40cm長さ数メートルというサイズゆえに、そこに置かれたわけで、決して低く見積もっていたわけではありません。

konoinfo at 22:06│Comments(0)

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