2018年06月09日

求めた理由

お客様から、当方のお送りした本が求めていたものと違うので、返却するから返金願いたいというメールをいただきました。

読んでなるほどと納得し、すぐさま了解の旨、お返事いたしました。

送料は負担するとおっしゃっていただいたのですが、当方の非は明らかです。ゆうメール着払いでご返送くださいとお知らせいたしました。

shakespeareやがて戻ってきたのがこの本です。小店が「日本の古本屋」に登録した際、引用データそのままに、出版元を弘文堂、刊行年を1949としておりました。

しかし実際に奥付を見ると、版元が鈴村書店、発行が昭和26年と印刷されたラベルが貼られています。これならすでに、お客様がお持ちのものと同じなのだそうです。

つまり、手に入れたいと思われたのは、弘文堂1949年発行の本なのでした。そしてつぎのように、ご説明くださっています。

当該本は発行所により、カバーと奥書のシェイクスピア表記に異同があり、鈴村書店や弘文社でなく、弘文堂とあったため購入したものです。実際、湯川弘文堂発行のそれが石川県立図書館にあります。

改めて調べてみると、カバーの表記はご覧のとおりですが、標題紙には「弘文選書/シェィクスピヤ研究/本田顕彰著/弘文社刊」とあり、奥付に記された題名は「シエイクスピア研究」となっています。

さらに国会図書館やCiNiiを調べると、発行所も弘文堂、弘文社、湯川弘文社などと表記されたものがあるようです。奥付には剥がした跡もあり、本文の最終頁は1葉だけ貼り足してある様子が見て取れます。

お客様も、見比べてみようと思われたのでしょうか。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

12月31日から1月3日まで
休業いたします
Profile

河野書店

Archives