2018年06月15日

向いてない

書簡、草稿といった、いわゆる自筆ものに優品の目立った、今日の明治古典会でした。

たとえば萩原朔太郎、萩原恭二郎、高村光太郎、柳宗悦、伊東静雄その他その他。つまり小店にとっては、あまり縁のない、まず札を入れることのないものばかり。

とはいっても、誰が高値になるのかは、業界人の端くれとして興味があります。例を挙げれば斎藤茂吉の分厚い歌稿。バブルのころ、大量に市場に出て、そのどれもが何十万円、何百万円となったことを記憶していますが、今日は数万円のレベルで落札されていました。

もっとも今日の出品「大部分は代筆のはずだ」と、詳しい先輩業者から教えられたのですが、仮にすべて自筆であったとしても、現在ではさほど高値にならないでしょう。

そのなかで、初めにあげた面々は、今でも比較的値のつく人々です。そう知って、この先役に立つことがあるのかどうかは、はなはだ疑問ではありますが。

RIMG2904ところで今日、市場で同業から、デパート展に参加しないかとのお誘いを受けました。あまりに突然のことで戸惑いましたが、丁重にお断りさせていただきました。

というのも現在の小店の在庫から考えて、とても出展できるような状況ではないからです。

もちろん会期はまだしばらく先のことでしょうが、催事などでそれなりに売り上げて採算をとるためには、日ごろからそのための仕入れを心がけなければなりません。

そして、そういうことにはどうも向いていないのだと、今では店主、確信しているのです。

konoinfo at 22:38│Comments(0)

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