2018年06月18日

時間を気にする

今の季節、土日祝の午後6時閉店というのは、ちょっと気が引ける思いのする時があります。

とくに昨日のようにお天気の良い日は、まだ宵の気配さえなく、片付けを始めると通りがかりの人が「もう閉店?」といった表情をみせて行き過ぎます。店主の思い過ごしかもしれませんが。

RIMG2918それでなくとも閉店間際というのは、不思議とお客様が来られます。まったく気にもせずに入ってこられる方もあれば、時間を気遣いながら急ぎ足で覗いていかれる方も。

昨日の方も、そんなお一人かと思いました。学生さんというよりは、もう少しだけ年のいった男性。絵本棚の前にしゃがんで、一番下段の外国絵本をご覧になっています。時おり腕時計を睨みながら。

閉店時刻を10分ほど過ぎていましたので、それを気にしておられるのかと思っておりました。

やがて「この値段は税込みですか、税別ですか?」とお尋ねになりますので「税込みです」と回答。するとなおしばし思案ののち「これを」と1冊、店主に手渡しました。

ドイツ語の絵本。100円のラベルが貼ってあります。擦れイタミがあって見切り品としたものです。バッグをお持ちでしたので「このままでいいですか?」と伺うと「袋に入れてもらえませんか」。

そこで片付け作業を中断し、帳場に戻ってレジ袋に入れていますと、腕時計を見ながら「電車の出発時刻が迫っているんです」。口調こそ独り言のようですが、どうやら急かしておられるらしい。

再三、腕時計とにらめっこされていたのは、小店の閉店時間を気にされてではなく、電車の時間を気にしておられたのでした。

袋にお入れした本は、歩きながらバッグの中にしまい込まれたようです。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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