2018年07月23日

町の古本屋さん

豊川堂さん。その屋号は、出身地である東三河の川の名にちなむと、ご本人から伺ったことがあります。だからトヨカワドウと、そのまま読みます。

すこし呼びにくくても、ご本名の岩田さんとお呼びするより、しっくりきました。ざっくばらんな、知らなければ江戸っ子かと思うようなしゃべり方をされ、シャイなところも江戸っ子風でした。

RIMG3031昨日、代々幡斎場で通夜があった同業先輩です。享年85。店主が26年前、初めて理事になった時の、同じ理事仲間でした。

格別な思い出というものはないのですが、時おり市場でお会いした際の、何気ないやりとりが心に残っています。

20歳近く年下の店主に対しても、いつも「河野さん」と、さん付けで読んでくださいました。しかし決してよそよそしいわけではなく、その証拠に代名詞は「あんた」。

市場に来られるのは、2ヵ月に1度の即売展の時だけ。その出品物が、すべて風呂敷包みで持ち込まれていることを知り、驚いたことがあります。1冊ずつ帯紙をつけ、それが見えるように並べる、古典的な陳列方式は、最後まで守られたはずです。

お店は下高井戸商店街にある、典型的な「町の古本屋」さん。日々、良く売れるのは、読み物類など白っぽい本。時おり黒っぽい本の仕入れがあると、それらが即売展のネタとなる――。

店売りにも、仕入れにも恵まれたこうした店は、減少の一途。今からでは望めないスタイルです。

お通夜の席には、同業よりはるかに多く、商店街の方々が見受けられました。長く土地に根付いて商売をされてきたことが伺われる葬儀でした。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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河野書店

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