2018年07月27日

お買い得の人たち

「湯川秀樹草稿7枚」という出品物が、今日の明治古典会に出ました。

一般に草稿といえば、見かけるのはほぼ文人のもので、毛色の変わったところでせいぜい美術家、音楽家といった芸術家の随筆草稿くらい。

学者さんの自筆草稿類は、見かけないというわけではないのですが、あまり値が付くものがないため印象に残りません。その点が、外国のautographというジャンルに比して、幅の狭い感じもいたします。

そこへ湯川さんです。果たしてどれほどの値で落札されるのか、興味をもって見ておりました。

結果は、作家でいえば、まあまあ人気のあるクラス、といった価格。もちろん一人の作家でも、主要作品の草稿であるか、頼まれて書いたような雑記かによって、大きな違いがあることは言うまでもありませんが。

今日も多くの草稿類が出品されていましたが、そのなかでも目を惹く価格ではありました。

たとえば「内田百亮筆草稿5枚」は、これより安く、同じ物理学者の先輩たる「寺田寅彦随筆草稿10枚」が、すこし枚数が多かったとはいえ、これより高い値で落札されていました。

湯川さんといえば、日本人として初めてノーベル賞を受賞した人物です。文学の世界でいえば、川端、大江というより漱石、鴎外に匹敵するかもしれません。

そう考えると、今日の草稿の落札価格は、まだまだ安かった。落札者は良い買い物をした、と言えるでしょう。これから先、それほど出て来るとも思えませんし。

RIMG3063ちなみにもう一つ、お買い得と店主が感じたのは、積み上げて20cmほどもあった「山本露葉日記」。こちらは、その値打ちが判明するまでには、かなり時間を要しそうですが。

konoinfo at 22:15│Comments(0)

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