2018年08月12日

紛失本の鬱屈

昨日、お電話をいただきました。

RIMG3097「スマホで見て知ったのですが、そちらに中島岳志という人の書いた『朝日平吾の鬱屈』という本があるそうですが、まだありますか?」

記憶にはありましたが、鉄則に従って一旦電話を切っていただき、本を見つけて帳場まで戻り、こちらから折り返しかけなおしました。

「在庫しております」そう申し上げると「本当ですか!」と、喜びの声。「明日もやっておられますね。午前10時から午後6時までとありますが」「やっております」「では午後には必ず伺いますから、取っておいていただけますか」「承知いたしました」

「駒場東大前の駅から歩いてどれくらいのところですか」「1分です」「それはありがたい」「駅はご存知ですか」「私は70歳になりますが、学生のころしか知りません」

そこで、駅には二方向に出口があること。吉祥寺寄りの改札を出ること。出て左に、線路に沿って歩いていただくことを説明いたしましたところ「分かりました。実は図書館で借りて紛失してしまったのです」そう言って電話が切られました。

約束通り本日お越しになり、お買い上げいただきましたが「この本、新刊書店に頼んだら品切れと言われて…」と、まさにご自身の鬱屈をひとくさり。「お金で弁償すると言ったんですが、図書館は同じものを返すというのが決まりらしいです」

実は店主も、同書が現在、版元品切れ中であるという情報は知っておりました。良い状態の本でしたので、新刊定価でネットに載せておいたのです。どこかのサイトでよくあるように、とんでもない値段の本しかなかったとしたら、どうされたでしょうか。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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