2018年09月24日

ハイネは遠く

表の洋書棚のところで、本を手にして、楽しそうに言葉を交わしている男性2人に女性1人の3人組。男性の1人はヨーロッパ系外国人ですが、いずれも若い、まだ20代前半といった年恰好。

話されているのは日本語でしたが、どうやら興味がおありなのはドイツ語の本。ただ外国の方も含めてお三方とも、あまり本屋には、慣れていなさそう。

立ち居ふるまいから、それはすぐに察しられます。もちろん古本屋に慣れていない人は、いくらでもおいででしょうから、不思議ではありません。

RIMG3180やがて店内に入って来られ、そこにも外国書があるのに驚かれたらしく、さらにしばらく棚をご覧になられました。

おそらく日本人のお二人はドイツ語を習っておられ、お連れの外国人はその先生、というのが店主の勝手な見立て。

そのうち女性の「ハイネって何の人だっけ」と囁くように尋ねる声が、店主の耳まで届きました。続いて何かを読み上げるような男性の声。ふと見ると、スマホの画面を指で送っておられます。

後から帳場にお持ちくださいましたので、ご覧になっていた本が、レクラム文庫のハイネ詩集だと分かりましたが、お買い上げを決断されるまでに、しばらく時間を要しました。「19世紀の詩人」と聞いて、まずその古さが、ためらいの原因だったようです。

ハイネ研究者の嘆きが聞こえてきそうですが、ドイツ語を学ぶのは、必ずしもドイツ文学を学ぶためとは限りませんからね。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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