2018年11月15日

売れる/売れない

同業が、別の同業から聞いたという話を聞かせてくれました。つまりまた聞き。

あるお客様のところへ本を買取りに行き、そのお客様が、「良かったらついでに引き取ってくれないか」と雑貨類をお出しになったそうです。もちろん代金は不要。

それでまあ店に持ち帰り、値をつけて店頭に並べておいたところ、思いのほか良く捌けたとか。一方、仕入れた本はなかなか動かない。

その同業はしみじみ思ったそうです。もしかしたら自分たちは、お金を払って、一番売れないものを引き取っているのではないかと。

似たような思いに駆られることは店主にもあります。委託で店頭に置いているジャンクおもちゃ。その中に箱入りのミニカーが、2種類計数十個あるのですが、これが2個500円でポツリポツリと売れていくのです。

RIMG3291同じ本が数十冊も売れたという経験は、かつてありません。いや一度だけありました。学生さんとのコラボで教科書セールをやった時。しかし教科書は必需品ですから、本一般とは同列視できません。何にせよ、本は売れないものだと思わされることは多い。

ところが先日、面接した新規加入者は、ネットで起業をと思い立ち、「本は売れるらしい」と聞きつけて、4年前に買取りサイトを立ち上げ、社員18人を雇うまでに、業績を伸ばしてきたといいます。

そういえば30年近く前、チリ交仕入れで羽振りの良かった同業も、「本は売れる」というのが口癖でした。結局は商売センスの問題なのでしょうか。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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