2018年11月26日

飛ぶように売れる

つい一日二日前に手に取った本の、前書きだか後書きだかで「文芸エッセイ」という語句を目にしました。

それが何という本だったか、まるで思い出せないので、あやふやな記憶のままお話しするのですが、その「文芸エッセイ」というのは、出版社では売れないジャンルの代名詞なのだそうです。

著者は、自分の著書がその「文芸エッセイ」に属するもので、とても売れそうにない。そんな本を良く出してもらえたものだ――というような表現で、編集者に謝辞を述べていたのでした。

では売れる本とはどんなものか、と言って対比させていたのが、美容・健康本とお金儲け本。「こうしてダイエットに成功した」とか、「年収一億円稼ぐ方法」とかいった類のハウツー本だといいます。

実用書というのとは、少し違いそうです。この手の本が、実際に役に立つことはほとんどないでしょうから。

さてそんな折も折、あるお客様が、そうした本ばかり何冊かお持ち込みになりました。店主の目からはあまり評価がつけられませんが、比較的最近の出版ですので、幾ばくかの金額で買い取りました。

RIMG3308表の均一棚にでも並べて売るつもりでしたが、家人がAm*z*nで検索してみると、案外良い値段で売られてると言います。そこで家人に任せました。すると、出品して数時間のうちに、中の1冊が売れたのです。

それはまさに「一億円稼ぐ」ことを謳った本でした。販売価格は知れていますから、安く買ったとはいえ、儲けも知れたものです。しかし次に同じような本を売りに来られたら、今度はどう評価したらよいでしょうか。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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