2018年12月22日

『学問のすゝめ』

明治古典会「クリスマス特選市」が昨日開催され、約1600点の出品を得て盛会裡に終了いたしました。

RIMG3343ビックリするほど高額の落札品はありませんでしたが、驚くべき出品物は数多く見られました。そのひとつが緋毛氈の敷かれた最終開札台に、ひっそりと置かれた小さな薄い冊子。

その表紙には、本屋なら、いや本屋でなくとも知らぬものはないと思われるタイトルが印刷されています。しかしこれまでに、その実物を見たことのある本屋は、その日会場に居合わせた中にも、何名もいなかったでしょう。

それがこの著名な本の、真の初版本といわれる中津版『学問のすゝめ』でした。

この本がどれくらい珍しいかは、国会図書館サーチで「學問のすゝめ. 初編」と検索して現れる「詳細情報」に記載された、長大な注記からも明らかになります。お読みいただけば早いのですが、一部を抜き出せば――

近年諸家の間で初版本と推定して誤りなかろうとほぼ意見の一致した一種の版本がある。それは大体四六版ぐらいの大きさ(18×11.5)の茶色表紙、本文西洋紙両面刷二十四頁、清朝体の活字二十三字詰八行に組んだもので、表紙の左肩に「学問のすゝめ 全」という文字をオーナメントで囲んだ題箋が貼ってある。

しかし昨日出品されていたものは、ここで説明されている本とも、若干異なる部分がありました。それは巻末に明治四年という出版年が明記されていたことです。

あらためてCiNiiで検索してみると、京都大学と大英図書館の2館が所蔵する本に、同様の年記があることが分かりました。さらに調べていくと「学問のすゝめ」初版発見というニュースも見つかりましたが、ここでまた新たな疑問。2者はページ数が異なっています。

さて昨日の本は何ページだったか。そこまで調べなかったのが残念です。

konoinfo at 18:30│Comments(1)

この記事へのコメント

1. Posted by mchokobo   2018年12月22日 19:11
横山雅子です。
カレンダーありがとうございました。ノルウェーに行ったとき、ムンクを見に行って救われる思いがした絵ばかりの「ムンクの光彩」。しかも大好きな「浜辺のダンス」がトップにあり嬉しかったです。
実は免許を取ってから47年無事故だったのに、10月に1週間あけて二度も事故を起こしてしまいました。私の過失。事故って(知らなかったけれど)こんなにも落ち込むものなんですね。
ムンクを見て落ち込んで、それでもいくつかの絵に救われた思いがした、そんな絵ばかりが選ばれている珍しいムンク集。
事故(人身事故ではないです)の落ち込みからそろそろ立ち直れと言われているような気分で驚きました。立ち直って健やかに歳を迎えることにします。
河野さんはまたお正月は名古屋に行くのでしょうか。久仁夫さんによろしくお伝えください。東京の個展、気づいたのが終了日で行けませんでした。

最後になりましたが、いつも日記を拝見していて、河野さん、早苗さんがかなり肉体労働を伴うお仕事をなさっていることは存じ上げています。
どうかお身体にお気をつけてください。そして大事な文化である古書店を守り続けてください。
どうもありがとうございました。
まさこ

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

平日午前10時〜午後7時、土日祝日は午前10時から午後6時まで、毎日営業いたしております
Profile

河野書店

Archives