2019年03月20日

線引き書入れ

組合ルート便「コショタン」が、明治古典会と洋書会で落札した本を届けてくれました。

どちらも厳選入札で、それぞれ1点のみ。ただし明古は音楽史関係3本口で約50冊。洋書会はアルバムプレイヤードの2本口で、こちらは約40冊。

2点と言ってもそれだけの冊数なので、値付けするだけでも一仕事です。さっそく音楽書から取りかかりました。

きれいな本ばかりでしたから、油断があったことも確かです。ある本の後見返しに鉛筆で年月日と「読了」の文字があるのに気がつき、本文ページを繰ってみると、ところどころに線引きと書入れがありました。

それからは1冊1冊注意して見ていって、そのあとも何冊かに線引き、書入れを見つけました。

RIMG3498とりわけ落胆したのは、12冊セットの『西洋の音楽と社会』(音楽之友社)、上中下3冊の『新西洋音楽史』(同)それぞれに、1冊ずつ書入れ本が見つかったことです。

全体で6〜7冊にしか線引きはなかったのですが、揃い物の場合は1冊でも全体の付け値に関わりますから、影響は小さくありません。

1週間以内なら値引き要請(受け入れてもらえるかどうかは別として)ができるのですが、しばし考えた後、申告しないことに決めました。

値引きを要請する場合、原則として商品を一旦、市場に戻さなければなりません。なぜなら、出品者は値引きを拒否して、返品を要求することもできるからです。

本来は、入札前に良く調べるのが大前提、本屋のモラルです。昔は落丁など、一見しただけでは分からない欠陥だけが、返品、値引きの対象でした。

取引の量が増大し、本口などいちいち調べきれない場合も増えたため、今では線引きも値引き対象とされるようになったのですが、それにもルールがあります。

落札したあと、運んでもらう前に調べることもできたのです。今回は、自己責任と諦めました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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