2019年08月14日

魅力ある人柄

朝比奈隆さんは、とても人気のあった指揮者だということくらいしか存じませんでした。1度や2度はTVを通して演奏を聴いたこともあるはずですが、かなり晩年の番組だったと思います。

『米朝置土産 一芸一談』(淡交社、2016年)という本の中に桂米朝との対談(1988年)が収録されていて、その闊達な語り口に、あらためて好感を覚えました。

終戦前後の、ふつうなら悲壮な苦労話になるところを、笑い話のように語られています。

beityo朝比奈 …満鉄の線路を歩いて千足(ご子息)をおぶって荷物持って、親子三人。ずーっと歩くと遠いでっせ、あれ。 米朝 そらあ遠いですよ。 朝比奈 「ここはお国を何百里」と思いましたな、あれは。

驚いたのは、その「二つ半か三つ」のお子さんを連れて満州へ渡ったのが昭和20年5月だったということ。

当時は軍の証明書を持って満鉄の一等車に乗ってサーッといくなんて格好いいでしょう?日本は爆撃で神戸が焼けた、大阪が焼けたと言うてたころやから、内地に置いていくのも心配ですしね。向こう行ったらホテル住まいで食うものは心配ないと思って連れて行ったんですけどね……負けるとは思わなんだ。

極めつけは次の一言。

いまだに女房に恨まれてますね。「あほや」言うて。

手に入れたまま置いてある実相寺監督撮影のDVDを、今度、聴いてみようと思います。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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