2019年09月15日

ハッピーエンド

店内のあちらこちらの床に山積みになっている本を、とにかく整理しなくてはならないのですが、しっかりした方針も立てられずに、ほとんど行き当たりばったり。

bresson今日も手近な山を崩そうと1、2冊本を手にしたところ、その下から、数か月前に大探しした本が顔を表しました。

薄くて小さい本ですから、紛れ込むと見つけるのは大変で、現に見失ってから今日まで、杳として行方が知れなかったのです。

もともと裏から出した一山を店に積んでおいたときに、あるお客様が目を止められ、ご興味を示されました。しかしその時点では、先約のようなものがありましたので、しばらく待っていただきました。

やがてそちらの話はなくなり、お譲りできることになったのですが、そうなったときに肝心の本が雲隠れしてしまったのです。

それをお伝えした時のガッカリされたお顔が、今もありありと思い出されます。

さて、こうして見つかったものの、お客様のご連絡先も存じ上げません。しかし、月に1、2度はご来店になりますから、今度は間違いなくそれまでお取り置きしておくことにしよう——そう考えていると、なんとそこへお出でになりました。

あまりの間の良さにビックリ。そして本が見つかったことをお伝えすると、大変喜んでお買い上げくださいました。

紛失することも、忘れたころに出てくることも、珍しいことではありませんが、これほどのハッピーエンドはめったにないことです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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