2019年09月26日

昔日の顧客

本の見返しに、昔々の複写式納品書の薄い紙が挟まっていて、その宛名欄を見たとき、思わずハッといたしました。そして我ながら、血の巡りの悪さに呆れました。

もうとっくに気が付いていて良いはずでした。元美術誌編集者某氏の旧蔵書、その某氏が誰であるかということに。

一度目の出品があった時は、一点も入札すらしなかったばかりか、本を手に取ることもなく、背をザッと眺めただけで、編集者にも大変な蔵書家がいるものだ、くらいに思ったに過ぎませんでした。

そして先週、二度目の出品には洋書がまとまって出ておりましたから、何点か入札して首尾よく手に入れたことは、すでにお話ししたとおりです。

昨日届いたその本を、さっそく整理しているうちに、冒頭の納品書に出くわしたのです。割合に珍しいそのお名前を見た瞬間、すぐさまご本人のおもかげが浮かびました。

古書会館の即売展では常連として知られた方で、小店にも何度か足を運んでいただいたことがあります。それくらい熱心な収書家でした。

美術館のお仕事をされていると、ご本人の口から伺った気がします。ネットで確かめてみると、あるサイトに略歴が出ていて、編集の仕事をされていたのは、かなりお若い頃のようです。

whistler2その後、美術館の企画担当をされたとありますが、店主が言葉を交わすようになったのは、すでにそれもリタイアされたあとだと思われます。

whistler構えたところのない、気さくな雰囲気の方でした。あるいは本屋に対してだけだったかもしれませんが。

懐かしく思い出しながら本の点検を続けていくと、小店のラベルが貼られた一冊が出てきました。しかし、これをお買い上げいただいた時の記憶は、残っておりません。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

平日午前10時〜午後7時、土日祝日は午前10時から午後6時まで、毎日営業いたしております
Profile

河野書店

Archives