2019年11月19日

在庫整理は続く

英語ひとつ満足に話せないものからすると、多言語を操る人たちは、まるで宇宙人のように思えます。

10年以上前、少数言語を研究しているイギリス人留学生から、日本を引き上げるに際して蔵書をお引き取りしたことがありました。

彼自身は日本語も達者で、中国語も解し、さらにアジア、アフリカ、アメリカと、世界各地の聞いたこともない言語に関する本を持っていたのですが、果たしてどれほどの言葉を話せたのでしょうか。

ただ語学書といっても、専門書というより学習書が多かったため、しっかりした値をつけられるような本は殆どありませんでした。買う人だって多くないはずですから。あれらの本は、どうやって売り捌いたのか、もう手元には残っておりません。

一時期、アフリカ関係の本を集めようとしたことがあります。何度かそうした一口に遭遇し、かなりの冊数を手に入れたのですが、大半はいわゆる社会科学系のもので、古書として需要のありそうなものは、ごくわずかでした。

考えてみれば研究室から出てくる本ですから、使えるものが少ないのは当然かもしれません。結局、多くは整理、つまりツブシにせざるを得ませんでした。

こんな話を始めたのは、いま手を付けている在庫棚が、ちょうどアフリカ関係の残骸ともいうべき箇所だからです。削ぎ落してなお残っているのですから、精選と言い換えてもいいでしょう。
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どんな本を今日まで残してきたかと言うと、おおよそのところ歴史関係、語学関係。アフリカには多くの民族がいて、多様な言語が存在します。例えば今ここにあるソニンケ叙事詩の研究書だって、きっと必要とする人がいるのではないかと期待して、また在庫棚に戻すのでした。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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