2019年11月29日

つまらぬ記録の大切さ

Kさんの言葉が、つくづく身に滲みました。

Kさんというのは、10年ばかり前に本屋を廃業して引退された先輩。『古書組合五十年史』作成の、大功労者の一人と言えば、同業なら誰もがあの人と分かります。

RIMG4047彼は店主にとって組合機関誌部の先輩でもあり、店主らが機関誌部を引き受けた時、これからの機関誌のあり方について、ご意見をうかがったことがあります。もう30年も前のことですから、時期は違うかも知れません。

ともかくその時、店主は「決まりきった記録ばかりで面白くない」というような意見を言った気がします。それに対してKさんは「つまらない記録が、あとになって役に立つんだよ」と静かに答えられました。

その意味は、やがて年とともに理解するようになりましたが、今度ほど痛切に感じた事はありません。記録がある有難さではなく、ない不便さについてですが。

今日は、書き上げた「洋書会史」をともかく提出するつもりでいたのですが、その前にもう一度、事実確認をしておこうと、会館応接室にある『古書月報』バックナンバーを調べ始めました。

すると確認どころか、異なる情報が見つかり、行き詰ってしまったのです。旧会館で洋書会はいつ頃まで2階を会場として使用し、いつから1階に固定したのか。その間に他会と入れ替えで開催していた期間があるらしいが、それはいつ頃のことか。

裏付けが取れなければ、これに関する部分は削除しなければなりません。これこそかつてKさんが、この何倍も味わった苦労に他ならないことが分かったのです。

konoinfo at 20:30│Comments(0)

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河野書店

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